【京都市山科区】公園?空地?実は戦国時代ゆかりの史跡がある『史跡山科本願寺跡公園』なんです
国道西野の交差点から北東にある住宅街の細い道の途中に、突如現れる砂利で覆われた大きな空間。筆者もたまに通る程度だったので、「遊具もないし、建設途中の公園?」くらいに思っていました。
史跡山科本願寺跡公園をスマホアプリで測定したところ約70m×50mの土地で、建物などが無いのでかなりの開放感があります。
看板があったのでよく読んでみると、2016年3月1日に『山科本願寺跡及び南殿跡』の国史跡に指定されたとあります。思い出してみると数年前から閉鎖・工事中で昨年にきれいに整備されたので、長い工事期間は発掘調査中だったんですね。
山科本願寺はかつて山科にあった浄土真宗の寺院で、1483年9月23日に建立されたのですが1532年9月23日に焼打ちにあい消失しています。この史跡から東に10分ほど歩いたところには山科本願寺別院が現存しています。
山科本願寺は、西野・東野・音羽一帯に土塁や堀を築き寺内町を形成していたのですが、この遺跡では石風呂などが発掘され寺関係者の生活エリアであったことがうかがえます。
石風呂関連遺構は6畳くらいの大きさです。500年以上前の戦国時代ではお風呂は貴族や大名しか作れないかなり豪華な施設で、当時の山科本願寺がいかに勢力を持っていたかしのばれます。
今でいう蒸しサウナの石風呂は2畳より一回り小さいくらいで、蓮如上人も利用したかと思うと感慨深いものがあります。
石風呂の隣には、石風呂を温めるための竈と作業場の跡があります。
遺跡の真ん中には井戸の遺構がありました。昔は水場である井戸を中心として建物が建てられたので、多くの人に使われていたんでしょうね。
史跡のみしかないという史跡マニアのためのような公園ですが、ベンチもあり解放感がとてもあるので、ゆっくりのんびりするのにはぴったりでした。
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