【京都市山科区】本蕨粉を使った蕨餅はまさに「ほんまもん」。口コミだけで販売を続ける蕨餅は食べてみると驚きの連続です
外環東野の交差点の1つ西の交差点を北に450m行ったところにある『喜仙堂』。
こちらのお店は地元では蕨餅で有名なお店です。女将とお話しをしたのですが、ネットはされておらず、広告もほとんどしていないので、口コミだけで商売をされているとのことです。30年以上こちらで商売をされていて、地元の筆者も山科談義に話が弾み、楽しいひと時を過ごせました。
こちらの蕨餅は、四角く切ったゼリー状の物にきな粉をふったものではなく、ひと口大の饅頭のような形をしています。スーパーで売られているわらびもちは、甘藷澱粉と呼ばれる安価なさつまいものデンプンから作られていることが多いのですが、こちらでは貴重な本蕨粉から作られています。
蕨餅の他には和三盆で作られた干菓子や最中・羊羹なども販売されています。
蕨餅の賞味期限は購入日を含め2日です。蕨餅は冷やして食べたくなりますが、硬くなってしまうので、冷やす場合は2~3時間程度で、と女将に教えていただきました。
プラスチックパックの包装のお店が多いですが、昔ながらの竹皮風の包み紙が良い味を出しています。
こちらが喜仙堂の蕨餅(230円)です。暑かったので、ちょっときな粉がしっとりしてしまいましたが、コロンとした形で愛らしいです。
蕨餅の中にはこしあんが入っています。藤色がかった薄墨のような色のこしあんは、水さらしを丁寧にされているので雑味が無く、口の中でさらさらと溶けていくようです。蕨餅の部分はむっちりと弾力があり口の中で弾むようなのに、少しするととろりととろけてきます。
うかがった日は土用の入りで、ちょうど土用餅(250円)が販売されていました。こちらの土用餅は、こしあんの中にもっちりとした餅が入っています。餅が滑らかな舌触りでおいしいのですが、やはり蕨餅と同じくこしあんがおいしいです。
こしあんは粒あんを裏ごししただけの物もありますが、高級和菓子店では皮を取り除いた後、水さらしでアクを丁寧に取り除いて作ります。水さらしをするとすっきりとした味になると同時に、真っ黒ではなく薄墨のような色合いになるのですが、喜仙堂も同じ工程をされているので、とても上品なお味です。
初めは「これが蕨餅?」と思いましたが、本蕨粉使用で上質なこしあんを味わってしまうと、「このクオリティで230円でこの味!?」と驚いてしまいました。店頭でしか販売されていないですが、ぜひ本蕨粉の蕨餅を味わってみてくださいね。
喜仙堂はこちら↓